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おはようとおやすみでタイマー設定方式が異なるエアコン


古田一義
2001年11月07日

 エアコンのタイマーは、夜寝る時に一定時間で切れるおやすみタイマーと朝起きる頃に快適な室温になっててくれるように入るおはようタイマーがあるものが一般的です。ただ、それぞれの利用シーンを考えると、最適な設定方法が異なります。

 おはようタイマーは、大抵の人は一定の出勤(登校)時刻が決まっており、そこから逆算して起床します。つまり週の大半は決まった時間にセットすることになるでしょう。ということはタイマーは時刻指定方式の方が適していると言えます。タイマーをセットするのは大抵寝る直前ですが、その時刻は毎日まちまちでしょう。もし時間指定だった場合、寝ようとしたその時間からいつもの朝起きる時間まであと何時間あるのかを計算しなければなりません。

 他方、おやすみタイマーはどうでしょう。典型的な利用シーンは、眠りにつこうとする時間から1時間とか2時間の間だけ運転して切るというものでしょう。この場合はやはり時間指定が適していると考えられます。先に書いたように、毎日の寝る時間は、起きる時間に比べたら随分バラつきがあるので、毎日同じ時刻を指定するのに適した時刻指定型はかえって不便になります。

 つまり、おやすみタイマーとおはようタイマーでは適した設定方式が異なるのです。今回の道具眼ビューでは、このようなユーザの利便性を重視して、わざわざおやすみ、おはよう各タイマーで異なる設定方式を採用してくれているかどうかをチェックしてみました。


 エアコンは容量などの差異でモデル数が膨大になりますので、今回はメーカー毎の傾向という形でまとめてみました。

 一般的な傾向としては、比較的廉価なモデルではリモコンに時計機能を内蔵しておらず時間指定型、高級モデルになるほど時刻指定ができるものになる、といった感じです。

 また、この観点を思いついたのは何年か前になりますが、当時に比べると、最近のモデルには時刻指定のおやすみタイマーと独立で「簡単切」ボタンといった名称でオフ専用の時間指定タイマーを搭載しているメーカーが多いようです。同じおやすみ用で2系統タイマーをもっており、ちと複雑かなとも思いますが、今回のテーマ的には要求仕様を満たしているので合格ですね。多くはフタの外側に配置されておりまさにワンタッチでしばらく後に切れるという設定ができます(一般にタイマー系はフタの中にあることが多い)。


メーカー別エアコンのタイマー指定方式の傾向分析表

データの最終更新:2001/11/04

三洋電機
ワンボタンで1時間だけ運転する「1Hタイマー」がほぼ全モデルに搭載されているようです。1時間しか指定できない点が実際にどれくらい困るか、ですね。時刻指定はやはり比較的上位機種のみ搭載です。つまり、時刻指定できるモデルならほぼ合格と考えて良さそうです。
シャープ
やはりワンタッチ系の切タイマーを別途搭載しています。全てのモデルに搭載しているようですが、モデルによって1時間のみのものと、1,3,5,7時間が指定できるものがあるみたいです。おはようを含めた時刻指定は上位機種の「24時間プログラムタイマー」という名称の機能が該当するようです。
ダイキン工業
「ワンタッチ切タイマー」は全モデルに装備されているようです。時刻指定はもっとも廉価のEシリーズを除いてすべて搭載しているようです。
東芝キャリア
上位モデルは時刻指定+「1・2・3・7H切タイマー」を必ず対で搭載しており合格、下位モデルは時間指定のみと明確にわかれているようです。時刻指定可能なものをチョイスしたいところです。
日立製作所
「ワンタッチおやすみ」というボタンがあり、1,2,3,7時間でオフにできます。上位モデルは時刻指定、下位モデルは時間指定なのみ他社同様。通常の1回限りの時刻指定タイマーとは別に毎日定刻に運転する「毎日予約」という機能がありますが、これは時刻指定の上位モデルのみの機能のようです。また別売りの簡単リモコンには1時間切るタイマーボタンがついており、蓄光塗装なのがナイスです。
富士通ゼネラル
面白いことに、下位モデルには全て時刻、時間両方で、しかもオン・オフどちらもタイマー設定できる上に1時間切タイマーまで別に用意されているという充実ぶりですが、上位モデルの現行機(プラズマエアロ搭載機)は時刻指定のみな上に、ワンタッチ切系のタイマーもないようです。ただ、近日発売となっているプラズマエアロV搭載機は時刻+ワンタッチ入切構成なので、発売時期の問題で、今後は全てこのスタイルになっていくのかも知れません。寝室で使うことの多い比較的容量の低い廉価モデルでも合格機種があるのは評価できます。
松下電器
カタログによると窓枠取付機種にのみ「残時間方式」と注釈されているので、他の壁掛けタイプは全て時刻指定式でしょうか?そのうち「光るお知らせらくらくリモコン」という外気温などが見られる双方向通信型(?)のリモコンの機種には「おやすみ切タイマー」が搭載されており、1,2,3,7時間が指定できます。「お知らせ」でない「らくらくリモコン」使用モデルの場合、下位モデルにそもそも入か切のどちらかしか一度にセットできないモデルもあるので要注意ですね。
三菱重工(ビーバー)
カタログの機能説明では「時刻(時間)でセット」などと表記されており、機種毎の機能アイコンの有無だけでその機種がどちらの方式かを特定できませんでした。宣伝する側もあまり明確に差別化しようという意志がないのでしょうか?ワンタッチ切系では「おやすみ運転」か「1時間タイマー」というのが該当するようです。「切タイマー」というのもありますが「セットした時刻(時間)になると...」という記述なので結局どっちだか不明。っていうか、似たような機能でバリエーションありすぎ?「おやすみ運転」と「入タイマー」と「おやすみ+入りタイマー」とあって、最後のでないと併用できないっぽいので要注意ですね。併用できないモデルには「1時間タイマー」も搭載されていません。
三菱電機
最上位のWXと大容量タイプのLXシリーズのみ時刻+「簡単切タイマー」(1,2,3時間)搭載で合格。後のモデルは時間設定のみのようです。合格ラインが比較的高い価格レンジにあるようです。

 この表は、古田がカタログに掲載されたリモコンの写真や内容から推察したものや、店頭をまわって実機をチェックしたもの、及び皆様のタレコミ情報を元に作成したものです。メーカー公式見解ではありません。実際にご購入の際には、ご自身でご確認下さい。

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